舌癖のトレーニング

M . F . T . (Myo  Fanctional  Therapy ):筋機能療法

舌癖のある患者さんは、上下の歯が接触してなく、舌が歯の間から前方に突出してきている。正常な場合は上下の歯がきちんと接触し、舌の突出は認められない。

舌癖とは?

日常生活の中で、夢中になってゲームをしたり、テレビを見ているときに、口をポカーンと開けて上下の歯と歯の間に舌が出していたり、また、食べ物を 食べたり飲み込む時に、上下の歯の間に舌を強く突出させたりする。これを舌癖(ぜつへき)と言います。

舌癖があると・・・

サ行、タ行などが舌足らずな発音になったり、また、いつも口をポカーンと開けていると、唇や口の周りの筋肉が弱くなり、外側から歯並びを押さえる力がなくなり、顎の骨や歯の機能的な咬みあわせを阻害して、不正咬合を誘発します。つまり開咬状態になります。
開咬で来院されて患者さんには、舌癖のトレーニングを行います。

無意識下(寝ている時)での舌尖部の位置

無意識下(寝ている時)での舌尖部の位置

舌尖部が上顎前歯部口蓋についていないと

  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 高血圧
  • 心臓病
  • 脳血管障害
  • 痴呆症 etc.

などの生活習慣病を引き起こします。

この舌癖が主に現れるのは、物を飲み込む時、つまり嚥下時に舌癖が現れる。この様な嚥下を、異常嚥下という。(さ行・た行などの発音時にも舌癖が認められる)

飲食物を飲み込む時に、口の周り(口輪筋)に異常な収縮が見られる

次に、舌癖のトレーニングを行った症例を見てみよう!

術前

術前

術中(2 ケ月後)

術中(2 ケ月後)

術中(4 ケ月後)

術中(4 ケ月後)

術中(6 ケ月後)

術中(6 ケ月後)

術後・MFT 終了後 2 ケ月 経過

術後・MFT 終了後 2 ケ月 経過

術後・MFT 終了後 5ケ月 経過

術後・MFT 終了後 5ケ月 経過

術後・MFT 終了後2年7ヶ月経過

術後・MFT 終了後2年7ヶ月経過

術後・MFT 終了後5年経過

術後・MFT 終了後5年経過

患者さま情報

年代小学生 低学年
お悩み前歯で咬めない。前歯が開いている。
症状開咬
治療法舌癖のトレーニング、リンガルアーチ、マルチブラケット装置(小臼歯抜歯)
期間8年3ヶ月
費用96万円位
注意事項自宅での舌癖のトレーニングを行わないと、開咬の改善が得られません。マルチブラケット装置を装着すると、食事がしづらかったりしますが慣れるに従い自然に食べれる様になります。また装置周辺は汚れが残りやすく、歯磨きには治療前より注意が必要です。

舌癖のトレーニングの進め方

M F T に使用するテキストブックや器材

それでは簡単にトレーニングについて説明いたします。

スポットポジション

目的:安静時や嚥下時に舌尖が触れるスポットの位置を正確に覚える。

ポッピング

目的:舌を挙上する筋肉の強化

オープンアンドクローズ

目的:舌を挙上する筋肉の強化